ただ運がいいだけ
こんばんは、お元気ですか。今夜はしんみりな感じのこと書くのでちょっと今しんみり気分じゃないなって人は読まない方がいいかもです。土曜日に母方の伯母が亡くなって、今日お通夜やってると思うんですけど僕は東京にいます。まあね、伯母といってもいろんな伯母、もしくは叔母がいるでしょう。父方だったり母方だったり。いろんなことを勘案して僕は東京にいるということです。とはいえ、亡くなった伯母はとてもいい人で、ただ僕は人生であまり交流する機会がなかっただけなんですね。伯母は母の5人いる姉兄のうち一番母に年齢が近く、母より5歳上だったのですが、僕が人生で会ったのは数回で、けれど会うとすごくあたたかい笑顔で「あら~○ちゃん~!」ってハグしてくるような人でした。母の兄弟は長女(母より22歳上)が今で言うところの国立大学を出て先生やってたんですけど、母が5歳のときに祖父が亡くなったため、家がめちゃくちゃ貧乏になってしまい、長男の伯父は兄弟のために中卒で愛知に就職、次女も中卒でお百姓さんに嫁ぎ、次男はどうしても大学に行きたかったらしく根性で国立大学に行き、高校進学が次男の大学進学と被った三女である今回亡くなった伯母も中卒で若くしてお百姓さんに嫁いだ人です。母は気が強かったので根性で奨学金を借りて無理という祖母を説得して高校にいきました。末っ子の特権だったのかもしれないです。お百姓さんに若くして嫁いだ二人の伯母は婚家でいじめられまくって、ものすごく苦労をしたそうですが、次女の方の伯母はめちゃくちゃ気が強かったため、めちゃくちゃ婚家でいじめられても戦い抜き僕が物心ついたときには旦那を尻に敷いていました。数日前に亡くなった伯母は本当におだやかでにこやかでほがらかな人だったのですが、婚家の嫁として一生懸命に努め傍若無人な旦那舅姑義姉ズに好き勝手されつつも4人の子供を育てあげ精一杯農家として働きつつ市会議員の旦那を選挙のたびに支え続け、数年前に旦那が亡くなるまでほとんど自由がなかったみたいです。だから母や姉兄とも頻繁に会ったりすることができなかったんですけど、やっと(というと不謹慎なのは承知で)旦那が亡くなって自由になって、というタイミングで白血病が判明してしまいました。それからはずーっと治療の日々で、少しずつ体調が悪くなるのをコントロールしながらも、野菜を作ったり、庭の果樹を手入れしたりして過ごし、母も遊びに行ったり電話をしたりすることができるようになって数十年間を取り戻すように姉妹の交流をしていました。しばらくは遠方に住む子どもたちのところを訪ねたりしていましたが、それもつかの間で体調はどんどん悪くなっていき、コロナ禍に入る前年には抗がん剤の治療による副作用が出ていて、そのころ僕は帰省していた際に訪ねたのですが、辛いだろうに笑顔で出迎えてくれてたくさん話をしてくれました。伯母の旦那さんが生きてたころは訪ねること自体がタブーというか、伯母が旦那にいじめられるのを避けるために、家に行ったことはなかった気がします。印象的だったのは、母が姉である伯母の前では妹として、心配しつつもどこか気を許して甘えているような感じがあったことです。母はわりと気丈な人間なので、母も人の子というか、人の妹なんだなって感じでした。息子としては勝手ながら、これからの母の心の拠り所が失われてしまったことも心配ではあるので、こまめに連絡をしてサポートしたいと思っています。伯母は本当に我慢の連続だったと思うんです。自分は兄弟の5番目で、4番目である兄は大学に行き、6番目である妹は高校に行くなかで自分は早々に田舎のお百姓さんに嫁いだんですね。本人は自分は別に私は勉強好きじゃないから、と笑っていたと聞きましたけれど、その心中をやはり察してしまうのです。人生ってタイミングでなにもかも変わってしまうなって思います。祖父がもう少し長生きしていればいろいろ違ったのかもしれないです。ほとんど人生の選択権がなかった伯母を思うと、自分の置かれている状況がどれほど恵まれていることだろうと反省します。伯母が闘病する姿をみて、従兄弟が泣き崩れたと聞きました。さんざん苦労してきたのにこんな仕打ちがあるかと悔しかったそうです。僕は自分の人生で努力をまったくしなかったとは思わないし、20代のころは本当に仕事で苦労して辛いことがたくさんあったんですけど、今安定したお給料をもらって仕事をしてるのは、自分が頑張ったということ以上に運だなって思うんです。ただ運がよかっただけ。別に謙虚でいなくてはいけないみたいな話じゃなくて、本当に運なんだと思うんです。伯母は悪いことしてないんですけど、苦労苦労の人生を歩んで、それでも4人の子供を育ててうれしいことや楽しいこともあっただろうし、僕なんかが知らない人生の輝きがいくつもあったに違いないんですけど、それでも伯母の人生を思う時、なんだかもうどうしても不憫になってしまって涙が出てしまいます。伯母の優しい人柄がそれに拍車をかけます。世の中は本当に不平等だし不公平だというのを嫌でも実感します。この世に生まれてきて、一生懸命に生きてきて、最後はものすごく苦しい思いをして。伯母が亡くなるときは従姉妹が看取ったそうで、息を引き取るときは穏やかな様子だったと聞いて、せめてもの救いだと思いました。人間いつか死ぬんですけど、人生は気まぐれで全然人間に優しくないし、基本運なので、驕らず謙虚に自分が与えられた境遇に感謝しながらも人生に無垢な期待はせず可能な限り自分のコントロールを手繰り寄せて死ぬまで生きようと思います。
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