Augustsky

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SKAM FRANCE シーズン4を観ました

シーズン4は、ムスリムの17歳の女性、Imaneが主人公です。実はまだシーズン1、2を観てないんですけど、少なくともシーズン3では思い悩むLucasのよきアドバイザーとして、冷静で的を射たことを言ってはLucasを助けていたImane、実は彼女も内に秘めた悩みがありました。

Imaneを主人公にして物語を描くというのは、これは大変なことだっただろうと思いました。リスクをとったな、という意味です。ムスリムの人にもいろんな考え方があるだろうし、当事者たちの受け止め方はいったいどんなものなのだろうと思いながら見ていましたが、一方でシーズン3の時はゲイという当事者目線で見ていたので、ある意味物語の筋を素直に全肯定しながら追って行くことができたものの、ひょっとするとゲイではない人からするとシーズン3もさまざまな視点があったのかもしれない、ということにシーズン4では気づかされました。

Imaneが抱えている問題は複雑です。自分の中の信仰を大切にしたい気持ち、黒人である自分を大切にしたい気持ちがある上で、勉強をきちんとしたいという意思で、現実問題として荒れた地元の高校ではなく、白人の生徒がほとんどの遠くの高校へ通っています。それによって地元の昔の同級生からはbountyと揶揄されています。bountyというのは白いココナッツをチョコレートでコーティングしたお菓子のことだそうです。これがまず彼女の悩みのひとつ。

高校で仲良くなった友人たちは皆男の話やセックスのことばかり話します。Imaneは彼女たちのことが好きで、大切に思っていますが、一方でムスリムであるImaneにとってこれらは愉快な話題ではありません。また、皆で旅行へ行こうと目的地を決めていた時、目隠しをして地図を指さす決め方をしていたら、Daphnéがモロッコのあたりを指したことがありました。Daphnéはそんなに深い意味はなくアフリカなんて嫌だと言います。もともとイビサ島やギリシャのようなリゾート地を皆なんとなく行きたく思っていたからです。けれどImaneは自分のルーツがアフリカにあることもあって、アフリカの何が悪いの?と少し問い詰めるようにDaphnéに聞きます。その場では結局何事もなくまた仲良くしますが、こういった日常のちょっとしたこと、他人からしたらなんてことないように思えることでも思春期かつ複雑な境遇にあるImaneにとっては悩ましいことです。

Imaneは恋をします。兄の友達で、幼馴染でもあるSofianeに。けれどムスリムの女性は婚前に男性とデートしたりすることもままならないし、そもそも好きという感情を見せることも憚られます。それで一進一退でSofianeとかかわっていたのですが、アラブ系のモロッコ出身でムスリムだと思っていた彼が実はムスリムではないことがわかります。そうなれば彼と付き合うことはできません。

Imaneは自分の信仰を大切にしているし、家族のことも大事にしていて、だからこそ自分を律して、律し続けているのですが、母親からは白人の友人たちといっしょにいることをよく言われません。もちろん 母親もImaneのことを思って、結局は自分と似たような人たちといることが一番幸せだという、わりと大人になると理解できる事実を娘に伝えているだけなのですが、Imaneからすると自分の大切な友達を否定されているような気分になります。ムスリムでない男性とつきあうなんてもってのほかです。Imaneはバランスをとって皆を大切にしようとして結局間違った行動に出て友人たちの信頼をなくし、親にも失望され、好きな相手も傷つけてしまいます。

ひとりぼっちになってしまった後で、 母親がやっぱりちょっと厳しすぎたと友人たちについて言ったことを謝りにきます。けれどもうすでに友人たちとの絆は戻りません。

ついこないだまで仲良くしていた友人たちが教室の前で話しているのを見て、足が止まってしまったImaneのもとにLucasがやってきます。Lucasは優しくImaneに授業をさぼろうと提案します。少し迷うImaneでしたが、友人たちが居る場所とは逆方向へと歩きます。

公園でLucasに話を聞いてもらったImane、好意を持っているSofianeと友人のManonが付き合いそうになった時、ManonのふりをしてManonの元彼Charlesによりをもどそうというメールを送ったことも白状します。ManonのルームメイトであるLucasはすでにそれを知っていますが、送った理由がそしてそれがSofianeのことを好きだったからだと知ってもなお、真剣に彼女の境遇に耳を傾けImaneを励まします。自分に話して見たように友人たちにも話して見なよ、と。もう友人たちとは仲良くなれないというImaneを勇気づけて、もう一度話をしてみるように背中を押します。このとき一度目を伏せて、もう一度Lucasの顔を笑顔で見た瞬間涙がぽろりとこぼれるのがすばらしい美しさです。聡明で自律した女性であるImaneが見せた、自己中心的で友人を裏切る行動もまた、人間らしさなのだと思います。

また、最近様子がおかしいと父親に怒られたりもします。なんで怒っているのかを言えないのは、言うことで 父親を傷つけると思っているから。彼女が生まれた境遇が彼女を悩ませているのは確かだけれど、彼女自身はムスリムであることも家族のことを大切に思っているからこそ、言えないジレンマです。これを思春期で抱え込むことはほんとうに大変なことだと思います。

やや強引な展開は否めないものの、ManonとCharlesがよりを戻したこともあり、またいろんな誤解が解けたこともあってImaneはまた友人たちとの絆をとりもどしました。すごく仲が良くてお互いをフォローしあっていた兄ともギクシャクしていましたが、それも解決。そしてSofianeです。

ImaneとSofianeがラマダンの夕日が沈んだ後に屋上でダンスをするシーン、シーズン3でもそうでしたが、SKAM FRANCEってどうしてこんなに、恋をする二人のシーンが美しいのでしょう。

SKAM FRANCE(というかSKAM自体がそうなのかもしれませんが)って、なかなかマジョリティとして生きていると理解が及ばないことについて、丁寧に、美しく、描いてくれるので、前シーズンでは自分がゲイであることによる共感はもとより、躁うつ病にたいしての認識も改めることができました。今回も、実際には一面に過ぎないかもしれないけれど黒人女性でムスリムである人が、抱きうる悩みについて少し考えることができたのはとてもよいことでした。

シーズン5も来るようですので、楽しみです。

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