Augustsky

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映画・ドラマ・舞台

SKAM FRANCE シーズン3を見ました

2019/06/19

素晴らしい作品を見たときには「もっと早く見ておきたかった」という気持ちになりつつも「でも今、このタイミングで見たから、年齢と経験を積み重ねたからこそ共感できるのかも」と思いますが、この作品は後者でありながら、やはり高校生のときに見たかったなと思いますし、ゲイの10代に見てほしいです。文科省推薦にしてほしいくらいです。

まず、認めざるを得ないことに、僕はメインキャラクターのLucasとEliottのビジュアルが最高に刺さっていて、特にEliott の笑顔、Lucasの涙の美しさに心を射抜かれて今すぐパリに飛んでなんらかのイベントがあれば参加したいと思っていて「結局見た目じゃねえか」と言われても否めません。でもそれだけではなくて、このドラマは映像がとにかく美しくて、ストーリーの展開もとても丁寧で、共感を湧き起こし、サブキャラクターたちも活き活きと彼等の人生が描かれています。ようは「全部いい」ってことです。何が言いたいかというと、「推しが出てるからひいき目で見てる作品」というわけではないということです。で、息を呑むシーンがほんとうにたくさんあるんです。キスシーンだけでも美しいシーン、可愛いシーン、感動的なシーン、心を射抜かれるシーン、膝から崩れ落ちるシーン、とっさに出る歓声に自分の口をふさいじゃうシーン、さまざまなのですが、それらのすんごいときめいたことをを一つ一つ挙げていくというよりは、お話の中で自分が気づかされたことを交えつつ書いていきたいと思います。それでも内容が濃すぎてすべてを書ききれないので、ぜひ本編を見てほしいです。

このSKAM FRANCE(シーズン3)は、恋に落ちた自分がゲイだということを、主人公の少年が認められないところから話が始まります。

この少年Lucasは、自分に向けられる偏見に曝されるよりも前に自分の中にある偏見と向き合うことになります。自分がゲイであることがばれるのを怖れるために同性愛を否定するようなことを友達に言ったりします。それとは別に、自分の母親(宗教にドハマりしている)に対してもおかしい人という偏見を持って接しています。これはとても興味深いと思いました。ゲイだから、マイノリティだからといって、すべての他のマイノリティにナチュラルに寛容であるわけではないということは、マイノリティだからといってひとくくりにすることの無意味さ、さらに言えばマイノリティかマジョリティかなんて個人には関係ないということを表している気がしました。ゲイであるということは重要な側面であれ、その人の一部分にすぎないわけで、単純に人をグループ分けできるものではないのだと感じます。結局は自分がその立場にならないとわからないことだらけで、けれど人とかかわることを通じて気づくことができる、それをこの作品は教えてくれました。

Lucasはこのドラマの中で驚くくらい変化していきます。Eliottの行動の原因がわかった後、母親にカミングアウトするシーンがあります。母親は敬虔なクリスチャンのようなので、父親とLucasの会話からもわかりますが、Lucasも父親も、母親はLucasのことを否定するだろうと思っていました。けれど、母親はLucasのことを受け入れて、愛している、今までもこれからもずっとと返信してきます。このシーンひとつとってもSKAM FRANCEの物語の紡がれ方の丁寧さがわかります。Lucasが母親にメッセージを送る際、勇気を出して、始め遠回しに伝えようとするところ、それを消して腹を決めて直球で伝えるところ、この描かれ方がほんとうにいいです。そしてその後の母親の返信。子供が母親に受け入れてもらうことの普遍的な嬉しさ、これは他作品でもそうですけど、ほんとうに共感するし感動します。

Eliottの存在によって、Lucasは母親に対する自分の偏見に気づき、さらには勇気を出して母親に向き合います。そして母親とミサに参加することで、Eliottに対して自分がどう行動をとるべきかを気づかされるという流れに、人の心や行動が、他人との関わりによって変わっていくことを見せられた気がしました。愛情で人が変わるのはこういう連鎖反応がいくつも起こっていくからなのかもしれないですね。

他にも宗教と科学が同性愛へ向ける視点についてのImaneとLucasの会話、親友であるYannに意を決してカミングアウトするも拒絶されるLucasのやり取り(のちに和解)にもとても考えさせられます。学校の自習室をめぐるDaphneと皆の行動、そしてBasileの母親の話からの Eliott へ対する理解など、気づかされることが本当に多い作品です。今、生きている人々の、お互いへの歩み寄りと受け入れを鼓舞してくれます。

言葉で人に優しく、とか理解、とかって言ってもなかなか伝わらないところを心のなかにすーっと気づきの芽を息吹かせてくれて、自分で考えさせられる作品が僕は大好きです。だからこの作品も大好きです。人間に想像力という能力が備わっていることの意味をあらためて感じます。

シーズン4がすでに始まっているので見ようと思います。SKAM FRANCEはシーズン1から4まで、同じ登場人物たちで誰にフォーカスをあてるのかで話が変わっているそうなので、シーズン1、2も追っかけます。

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