音楽聴けば呼び起こされる
こんばんは、皆さんは子供のころの記憶を保っていますか。僕は保っています。1995年にリリースされたAlanis MorissetteのJagged Little Pillというアルバムがありますが、僕はこれを当時小学校5年生だったとき、7歳上のいとこが貸してくれたのでよく聴いていた気がします。当時は何言ってんのかさっぱりだったんですけど、27年の時を経た今、なんと歌詞の意味がわかります。訳詞を見なくてもわかるんですね、素晴らしいです。You Oughta Knowとかはひどい歌詞ですが、ForgivenとかYou Learnとかはいい歌詞ですね、当時からこの3曲とかHead Over Feet とかWake upはとても好きでした。英語の意味はまったくわからなかったんですけど、日本の田舎の山の向こうにアメリカの存在を感じていました。母の車に乗ってスーパーに行って買い物をして、直接家に帰らずドライブがてら山の上の公園に行って駐車して、しばらく話をする、ということがしばしばあったのを思い出します。その時カセットテープで流していました。当時父親は借金残して蒸発して行方不明、5歳上の兄は友達の家を転々として帰ってこないので、だいたい母と僕で生活していました。この27年、数え切れないほどの日々の経験があって、当時の記憶なんてさっさと追いやられて忘れてしまいそうなものですが、しっかり覚えているんですね、人生って大切なことはちゃんと覚えているんだなと、この時を経ても忘れないということは、あのときのあの時間はかけがえのないものだったんだなということがよくわかります。僕が「ファンです」って確信を持って言えるミュージシャンは椎名林檎しかいないんですけど、それは僕がhumbleなのでそういうスタンスでおりますだけで、ライブに行ったりしたことはないけど好きな曲があるミュージシャンはそれなりにたくさんいます。で、ミスチルのエソラって曲あるじゃないですか、この曲、今聴いてるんですけど、この曲が入ったアルバムが発売されてよく聴いていた2008年末から2009年、僕何もなかったんです。もちろん厳密には何もなかったことはないんですけど、今振り返ってみるとあのころにあった生活はもうなにもないんです。新卒で入社した会社で働くために縁もゆかりもない千葉の某市に住んで、唯一心を許せていたカミングアウト済みの女友達と絶交して、会社の人々は善き人々で優しくしてくれたけれど心を開くことはなく過ごしていて、今僕の日常で大切に思っている人々にはまだ出会えていなかったんです。なのであの頃を思い出すと、人生の中で浮いているというか、あれなんだったんだっけかなって感じがします。そういう時期って皆あるんでしょうか。エソラを聴くとあの頃のことを思い出します。いい曲ですよねエソラ。ミスチルでいえば蘇生も好きで、蘇生を聴くと18歳で免許を取ったばかりのころ、友達を乗せて佐賀の波戸岬までドライブしたり、福岡まで行ったり大分の遊園地まで行ったりしたこととかを思い出します。確実に若さを我が物として実感はしていたはずなのに、それを上手に有効活用できていたかというとできていなかった気がします。今、この年齡になって振り返るともっとポテンシャルを活かして羽ばたいていればよかったのにもったいないなと思います。音楽って匂いと同じくらい直感的に記憶を呼び起こしますね。Born this way聴くと東日本大震災の直後、放射能に怯えていたころのことを思い出します。当時、彼氏と付き合いたてで、余震が来ると抱きしめてもらっていたことを思い出しますが、今ではゴミ扱いなので、時の流れの容赦なさを実感するところです。2022年の今、聴いている曲をいつの日か聴いて今日のことを思い出す日があるのでしょうか。その時の僕はもしかしたら「もっとポテンシャルを活かして羽ばたいていればよかったのに」と思っていたりしないでしょうか、どうでしょうか。今をきちんと生きたいですね。
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