音楽聴いて思い浮かぶこと
2022/09/16
誰にも説明したところでわかってもらえない自分だけの感覚ってありますね。音楽を聴いて思い浮かぶ光景もそうですね。わりといろいろありますけれど、僕の場合例えばMy Little LoverのNakedって曲聴くと、生まれ育った町の隣の何にもない財政が厳しい田舎市の夜の風景が思い浮かぶと同時に首都高のオレンジ色のライトが思い浮かびます。この曲を聴きながらこの2つの相反する風景を思い浮かべると中学生くらいのときの感受性がビシビシだったころに少しだけ戻ることができる気がします。NakedはDESTINYって曲のカップリングなんですけど、DESTINY聴くとCLAMPのCLOVERって漫画を思い出します。いい漫画なので大好きだったのですが、この曲聴きながら何度も読んでいました。当時自分の中で言語化できていなかった気がしますが、今でも不意に思い出すシーンがあって、三つ葉のクローバーはもともと3人いたのに、Aが一人殺めてしまって、それでAの双子の兄であるCとこの世にたった2人になってしまっていたんですが、三つ葉のクローバーであるAが「『四つ葉のクローバーは』この世に存在しない」って言ったあと「いるよ、私はここにいるよ」と離れた場所から四つ葉のクローバーであるスウが言うシーンなんですけれど、なんていうか、存在をなき者にされている人の気持ちみたいなものを当時直感的に感じたんですよね。僕は少年であった当時からゲイだったんですが、田舎の町ではゲイというのは架空の存在に近くて、同級生も近所の人も先生も親戚も家族も、誰もゲイが現実に存在していると思っていなくて、僕はそんな田舎の町で地に足をつける場所がなくて浮いてる気分だったので、スウのセリフが無意識に心の奥に深く染み渡ったんだと思います。My Little Loverの激烈なファンってわけでもないのですが、深呼吸の必要って曲を聴くと上京してきたときのことを思い出します。当時MTVかMusic onかスペシャか忘れましたけど、MVが流れてて、映画の主題歌だったぽくてその映像が流れていて、それを床に直置きしたテレビを見ながら心細い北千住の夜を過ごしていました。その映画に出てる俳優が当時推しだったので、そのMVを録画してずっと見てました。映画は見に行った記憶がないです、たぶんつまんなそう、と思ったのかもしれないし、東京で映画をみる術がよくわかんなかったのかもしれないです。地下鉄の直通運転を理解していなかったので、一度降りてもっかい乗ったりしてました。小学生がランドセル背負って改札を通り抜ける姿になんともいえない敗北感を感じました。田舎から都会に出てくるのは膨大なエネルギーを必要とするので、若い時でよかったなと思いました。Nakedの話に戻りますが、前述の市に兄と夜、たこやきを買いに行ったのもよく思い出します。兄は僕より5つ上なので、僕が中学生のときには車を運転していました。車はじいちゃんが買ってくれたものです。じいちゃんの自分ルールで孫には車を(中古だけど)買ってやる、っていうのがあったので、兄は車を持っていました。なので、僕はわりとよく兄の車のたばこくさい助手席に乗って、夜、まあまあ遠いところまでたこやきを買いにったり、レンタルビデオ(DVD)を借りに行ったりしていました。僕は不登校というかよく学校をさぼっていたし、高校は中退したりしてたので、兄は兄なりに心配していたんだと思います。車の中で何を話したかおぼえてないですけど、夜たこやき買いに行ったのはよく思い出します。外側は焼けてるんだけど中身がとろっとしたやつで、それまで僕はそういうタイプのものを食べたことがなかったので、びっくりすると同時に、兄がちょっと自慢げに初めて食べたやろ?って感じだったのも併せて思い出します。兄は僕のことどのくらいわかってたんでしょうか。どのくらい見透かされていたのか。5つも年齢が上だと、未成年のときは特にもう手にとるように分かると思うんですけど、どうだったんだろうな、と思います。今も僕は兄にカミングアウトしていなくて、それは母にカミングアウトしたときに母が「〇〇(兄の名前)には言わんほうがよかかもね……」ってやや含みのある感じのことを言っていたので、そのアドバイスに従っているんですけど、まあこの世にたった2人の兄弟なので、できればできうる限り、兄弟が作りうる、よい関係を保ちたいと思っています。こういうことを、音楽を聴くとばーっと思い出され、思い浮かんできます。音楽はすごいですね。
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