Augustsky

40代ゲイが日々のことを書き綴るブログ

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マネージャーって

僕5月に後輩が入ってきたんですよ。今の会社に入社してから丸5年間、上司と僕の二人でやってきた部署にやっとこさ新しい人材が加入したんですね。それで今試用期間も終了して4カ月ってところなんですが、この4カ月で僕いろいろと考える幅が増えたというか、これまでとは違う視点で物事を見る機会があった、という話です。

まず、マネージャーって言葉、というか肩書ありますよね。僕は今転職活動をしていて、年齢が35歳ということもあり、今度転職するならゆくゆくはマネージャーにチャレンジできる環境へ行きたいって思ってるんです。以前はそうは全然思っていなくて、ずっとプレーヤーがいいなって思ってたんですけど、これも後輩と働くうちに考えが変わったことの一つです。で、当然ですけどマネージャーを募集する企業というのはマネージャーやったことがある人に来てほしいわけです、「必須:マネージャーの経験」みたいな。そこで僕はとりあえずマネージャーの経験ないな、少なくともその肩書もったことないな、って思うんですけど、はて、マネージャーの経験って具体的には何?とも思いました。100人の部下を持つ管理職と、1人しか部下が居ない管理職、どちらもマネージャーにはなり得ますよね。でもこの二つ、部下への接し方や教育方法がぜんぜん違ってくると思うんです。どちらにも大変なところはあると思うんですよね、100人を面談して一人ひとりをケアするのはとても大変だけど、例えば誰かが出産で休職したり、退職してもチームでカバーできる面もある。一方で二人の場合はメンターとメンティーのように見守ることができる一方で、気が合わなければいつも一緒に仕事をするのは苦痛だし、辞めたら次の人を雇用するまで二人分仕事しないといけない。でもどちらもマネージャーといえばマネージャーですもんね。

僕と後輩は肩書はまったく一緒で、僕の方が入社が5年早く、年齢が9つ上、ってだけなんです。なので、上司ではないし上司のようには振る舞うまいと心がけています。町内会の年上の人、くらいの立ち位置だと思います。一方で、現実的に僕がいわゆるメンターとして、教育、とまでは言わないですけど、自分が持っている知識や経験を彼に投資して見守る必要があります。僕たちの上司はとりあえずそれをやる気がないですし、業務はほとんど僕がやっていて勝手を知っているので、僕がメンターになるのが合理的でもあります。ここで、僕が彼の上司だったらもっとスムーズにお互い妥協できるなって思うことがあります。僕の肩書がマネージャーだったら。

正解がないことってあるじゃないですか、デザインなんかそうですけど。そういうことで僕が彼に対して意見を言うのは結構彼にとっては嫌そうなんです。まあ彼自身新卒後数年間、制作会社で働いていたという自負があるのだと思います。ただ、photoshopの使い方一つとっても(ああ、きっとコーディングがメインの仕事だったんだろうな)というのがわかるんです。余白の取り方とか、そういうので大体、少しでも仕事で経験したことがあるか、まったくの素人かはわかるもんです。要は彼は全然基本的なことができないんですね。けれどそれを指摘するには僕の肩書が弱いんです、正確にはそれを指摘されて彼が自分を納得させられる大義名分としての、僕の肩書が弱いんですよね、でどうなるかというと、彼からは「いやでもここはこういう意図で」という話が始まるわけです。でもデザインって最低限の条件はあっても正解がないし、好みの問題もあるので、「ここのコードが間違ってるよ」みたいなすっきりした結果にはならないんですね。なので僕は困りまして、とりあえず彼が作ったまま、彼の意見を尊重したままで、プロジェクトメンバー全員のミーティングに出てもらいました。僕もその場では彼の隣に座ってる先輩、ではなく、いちプロジェクトメンバーとして周囲の意見に同調したり、反論したりしていました。結局彼が作ったデザインはかなり微妙な評価に終わりました。すると彼も困ってるんですよね、自分の自信作だったのにそういう評価に終わって。というか終わっていなくて修正なり新しく作るなりしないといけないわけです。プロジェクトの期限は決まっていますから、ずっと生温かく見守っているわけにもいきません。というわけで僕は僕で手を動かしてデザインをして、彼に提案したんです、こういうのはどうでしょう、と言って。これならあの問題とこの問題を解決できるし、全体のデザインに統一感出せるし、レイアウトも使いまわせるけれど、という感じで。すると彼はきっと困ってたのだと思うんですけど「おー、すげー、すごいいいじゃないですかー」って言ってくれたので、まあ、もしよかったら使って。と言ってpsdファイルを渡したんです。その後もう一度出来上がったものをみたら、僕のデザインを基本にしながら、彼独自の加工が施されていて、正直、もとのものを作った身としては(ああ、そのあしらい不要だな……)というような複雑な気持ちでしたけど、まあでもそれでミーティングでメンバーの賛同得られてゴーが出たんですよね。

それで今度は彼が得意なコーディングの部分になったので、それはもう大いに彼に手を動かしてもらって、他のメンバーからのリクエストで正直僕は(そんなのめんどくさいしやりたくないな)って思ったりしたこともささっと実装したりしていて、そういう時は僕、すごいほめるんですよ。人を嘘っぽくなくほめるタイミングってあんまないじゃないですか。ほめるなら今がチャンス、っていうときに精一杯ほめとかないと次いつほめられるかわからないので、すごいほめます。「すごいじゃん、助かった、みんな喜ぶに違いない」って言います。そうすると彼も、いい感じの波に乗ってくるのがわかるんですよね、するとお互い気分よく働けるじゃないですか。実際にはお互い我慢してることもあるとは思いますけど、少なくともポジティブな雰囲気の方が勝っている状況なのはよいことだと思うんです。

で、この後輩と一緒に仕事をすることを通じて、これはマネージャーの仕事なのでは、と思ったんです。もちろんマネージャー会議に出席したり予算のこと考えたりするのもマネージャーの仕事だとは思うんですけど、自分と一緒に働く人にいかに活躍してもらうか、気分よく仕事してもらうかってところをサポートするのがマネージャーの仕事なのでは、って思った時に、学生時代の部活のマネージャーってまさに選手たちが活躍できるようにサポートするじゃん、って思ったんですよね。すでに何かの本に書いてあることかもしれないですけど。上から管理するんじゃなくて、後ろからサポートするのがマネージャーなんだろうなと思って、今後マネージャーを目指すならそういう姿を目指したいと思ったし、こういう一連の考え方を持てたのは、後輩と仕事して収穫だったなと思いました。

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