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ブラッケン・ムーア~荒地の亡霊~を観てきました

というわけで、今月も舞台を観てきました。本日は「ブラッケン・ムーア~荒地の亡霊~」です。事前情報は毎度のことながらゼロで行ったんですけど、とりあえずシアタークリエへ行くのも初めてで、100年ぶりに日比谷を訪れたら地下鉄A5出口から出た瞬間こんなとこだっけ?ってくらい開発されてて思わず540°見渡してしまいました。素敵な場所になってますね。チケットオフィス的なところもあったりなんかしてすっかり観劇と映画の街って感じです。

シアタークリエへ到着してからチケットをもぎられるとB2の劇場へはエレベーターに案内されたのですが、エレベーター内僕以外女性、客席は97:3で女性がほとんどで3の中の1は女性と一緒に来てる男性、で、残りの2が単独男性、という、圧倒的女性数でした。だからなんだよ、って言われるかもしれませんが、別になんだって話でもないです。

さて、ブラッケン・ムーアの話をします。ストーリーは10年前に12歳の息子エドガーを亡くした夫婦エリザベスとハロルド、とその友人夫婦のヴァネッサとジェフリー、そして友人夫婦の息子であり、亡くなった子の親友だったテレンスがメインで進みます。内容は経営者であるハロルドが序盤、炭鉱夫の解雇を思いとどまるよう社員のベイリーに説得されて拒否しているところへ友人夫妻と息子が到着して実はこの時の会話をテレンスは盗み聞きしててさらにテレンスはエドガーの部屋に滞在することになっていたので部屋へ行くとこないだ行った旅行先で破門された修道士にもらったコインが転がって転がった先の板を開けたら出てきたエドガーの日記を見つけて読んでいて、テレンスは炭鉱夫を解雇して機械を導入するようなことには反対する系の思想なので日記をみたこととかはとりあえず隠しておいて、ハロルドに議論吹っ掛けてたりしてアカ呼ばわりされたりしてたら、エドガーを亡くして以来10年間ふさぎ込んでたエリザベスが登場してかなり精神的に参ってる様子のエリザベスから息子の話をされたりなどして心がわりと揺れ動いたりなどしたテレンスであったけれど、その夜から夜中に叫び声をあげてまるでエドガーが乗り移ったのではというような行動を取り始めて周囲は混乱し、さらにはエドガーしか知りえなかったようなことを話始めてエリザベスは完全にこれはエドガー乗り移っとるわってなってそれでテレンスはさらにエドガーが滑落して骨折した廃坑へと行くと言い出して20分の休憩に入り、休憩があけると泥だらけで廃坑から帰ってきたところから始まりこれはもうえらいこっちゃって皆がなっててエリザベスとしてはこの機会にエドガーが何かを伝えたいのであれば聞きたいと言うものの実の息子がなんか知らんけど乗り移られたのか痙攣したり叫んだり気を失ったりしてるのを見てらんないヴァネッサは、結構我慢してたけどもう堪忍しとくれよ、私の息子だよ、あなたの息子はもう死んだだよ、つってはっごめんなさい私なんて残酷なことをつって、結局10分よつってその場を離れてその後ハロルドも書斎へ行くことになり、居間にはソファで眠るテレンスこと岡田将生さんとエリザベスこと木村多江さんが残り、エリザベスはあれこれ独り言で納得した感じでテレンスを抱きしめたりなどしてそうこうしてるとテレンスがまた奇行を始めたもんだからエリザベスはハロルド呼んでここから、エドガー乗り移るテレンスこと岡田将生さんの独壇場の始まりでまさに鬼気迫る幼いエドガーが死ぬ間際の痛み、苦しみ、祈りを演じて見せ、エリザベスにもうこれ以上エドガーのことで思い悩むのをやめてほしい、僕はあのお墓に生える草であり、レンガであり、夜に鳴くふくろうであり、少年であり、炭鉱夫であり、その娘たち、またその娘たちでもある、といってエリザベスの苦しみを解放してあげた翌日、すっかり一件落着のヴァネッサとジェフリーは散歩へ出ていき、エリザベスはロンドンの妹のもとへ行くことにした、と事後報告でハロルドに伝えて、さっきメイドからそれを聞いていたハロルドはすっかり昨夜のエドガー関連の出来事でエリザベス同様心が清々しくなっていたので、エリザベスが快復へ向かっていることをうれしく思っていたところエリザベスとしては、もうこの家にもどるつもりは無いって言いだして、散歩する二人を追っかけて出ていったところへテレンスこと岡田将生さん登場。日記を取り出してコインの話をしてネタばらし。ちなみにこの瞬間まで観客もこの日記の存在や彼が盗み聞きしてたことも演技をしていたことも知らなかった。で、激怒のハロルドテレンスを殴り壁に押し付けて床にたたきつけているところでお三方散歩から帰宅。ハロルドテレンスは何事もなかったかのように振る舞い、そしてロンドンへの帰路につくヴァネッサジェフリーテレンス、あとを追う前にさっきハロルドが手に持っててあやしげにごまかして机に隠した日記を読み始めるエリザベス、すべてを知って、されどやはり晴れ晴れしく屋敷を去るエリザベス、残されたハロルドのところへ社員ベイリー登場、機械の契約書にサインが必要だけどほんとに社員を解雇するつもり?と淡い希望をよそにサインして「私は経営者なんだよベイリー君」っていうハロルド、そして失意と怒り気味で屋敷をさるベイリー、居間に残されたハロルド、一瞬暗転したかと思うと階段に謎の少年登場、そして「お父さん!」と叫んで終演。

いつになくわりときちんとネタバレしました。で、お話としては上記の流れなんですけど、12歳のエドガーとテレンスが、とても親密であったという描写、それを愛だと表現するエリザベス、女のようなことを言うなとハロルドが怒り、台無しになった家族のお出かけ、そのとき目に涙をためて我慢していたエドガーのことを語るエリザベス。10年の時を経てなおエリザベス同様、エドガーのことを思い出しては嘆き悲しむテレンス。そして日記を見つけて一芝居打ったテレンスが、あそこまで鬼気迫ることができたのは、エドガーに対する愛があったから、人のことを想う、その想像力を愛と呼ぶのではないかというエリザベス、の辺りに僕は一番心を打たれました。ただの怪奇現象サスペンス(結局演じてただけだったけど、まあ最後に別件的に幽霊出てきたけど)ではなくて、セリフの端々にちりばめられた余地というか余韻があって、強い男の生き方、女の生き方、息子の生き方、そして死にざま、その親友の想い、それらがぐるぐる混ざって、素晴らしいお芝居を観た、という感想になりました。カーテンコール3回お出ましになって、4回目でスタンディングオベーション始まったのでよっしゃあって思いつつ僕も立ち上がって拍手しまくりました。ハムレットのカーテンコールのときは本当に体しんどそうな感じだった岡田さん、今回もとても真摯かつ謙虚なお辞儀なさっておいででしたが、子役の子に笑いかけてる笑顔が、あの火曜サプライズとかの時の顔がにっこりになるまさに破顔、って感じで最高に全人類がときめく笑顔でした、4度目のお出ましのあとハロルドこと益岡さんとがしっと握手なさってたのが最高に男前でした。

というわけで素晴らしくて最高だったのでほんとうに観に行ってよかったなと思います。

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