娼年をみました(R18)
今日はですね、以前から観よう観ようと思っていた『娼年』をですね、観ました。つい先ほど、見たてほやほやで急いでコーヒーを淹れてPCの前に座りこのブログを書いています。映画を観たり舞台を観ると、観ている最中にいろんな気づきや思ったことが浮かんできますが、大抵は観終わったあと忘れていますので、映画のレビューとか書いてる人たちはメモとりながら観てるんですかね、それとも並外れた記憶力の持ち主なのでしょうか。まあとにかく、『娼年』観るか『アベンジャーズ』観るか迷ったんですけど、『娼年』を観ました。ネタバレとかしちゃうかもなんで、どこが誰の何に引っかかるかなんて僕にはわからないので、センシティブな方は読まないでください。
というわけでですね、『娼年』観たんですけど、とりあえず登場人物皆頭おかしいのでぜんぜん感情移入できなかったです。僕もまあまあ頭おかしいと自分で思ってるんですが、わりと自分からして遠方のあたまおかしさが繰り広げられてたので共感できませんでした。まず、松坂桃李さん演じる主人公の設定が『普通の大学生だけど"女なんてくだらない"という価値観で生きているけれど普通にセックスはするしだるそうに朝起きて適当に連れ込んで寝た乳丸出しのバカそうな女をゴミムシ見るみたいな目で見ながらトイレだか風呂に行く』で始まるんですけど、この『女なんてくだらない』って思ってる設定が弱くて、それが弱いがゆえに物語を経て最終的にこいつの考えが『女性ってすばらしい』って価値観になるところがインパクト薄いっていうか、いまいち変わった感がないというか、それには原因があって、この主人公(りょう)のもう一つの設定というか属性が『普通』なんですけど、猪塚君演じるアズマにも『りょうさんは普通だから売れると思った』的なこと言われてんですけど、この『普通』って設定があるもんで『女なんてくだらない』っていうキャラの尖りっていうかそういうのが弱いというか積極的にそんな雰囲気出してないので、二つ属性持たせて相殺しちゃった感がありました。あと、主人公の『女ってくだらない』的な考えが10歳の時に母親を亡くしたことに起因する風の描写しかないんですけど、でも最終的に母親が娼婦だったってわかるのは最後の最後で、となると"母親を軽蔑していた"、みたいな経緯もないため、この主人公がどうして女性をくだらないと思ってたかっていうのが弱いです。もしかすると作者の『現代の普通の若い男性像(草食)』みたいな思い込みを前提に作られた人物なのかもしれませんが実際には皆やることやってるので現実との乖離が否めませんのでこれもきちんと言及せずに暗黙の了解として物語をスタートするのは無理があると思いました。
とりあえずですね、セックスシーンが多すぎてセックスシーンもうそんないらねえよって気分になりました。いや確かに僕個人として女性のセックス見るのがわりとあんま好きじゃないというか、なんていうんですかね、苦手なんですけど正直に言えば。でもそれを除いてもセックス多すぎて、いやそらそういう映画なんだよと言われればそうなんですけど、なんかもうウケるとことかわりとあって笑っちゃうとことかわりとあんですけど、なんなんだよこの音楽はっていうとことか。その描写いる? その現象の描写入れないとだめ? ってやつとか。確かにシチュエーションが違うパターンもあって、要は“貞淑に見える女性でもこんな変わった願望を持っている(例:人に見られながら排尿)”的な(あれ今観てるのAVかな?)って思うようなことを伝えたかったりとかしたのだと思うんですけど、のわりには途中で『余命の短い旦那が寝取られ願望強いので目の前で乱暴にしてそれをビデオにとる』っていう依頼があるんですけど、それが結局『そういうプレイが好きな夫婦』で、主人公一生懸命にやってすっかり夫婦の倒錯した愛に感動しちゃったりして騙されちゃったね、っていうオチになるんですけどそれやったら意味ねえだろって感じがしましたね。それをただのプレイの一つ、にしたんじゃだめだろう、そういうフェイクっていうか肩透かしいらねーよ、だってただいろんなプレイのパターン紹介するだけじゃAVだろう、そこに物語とか必然性を持ってこないとプレイの種類5個出しても10個だしても同じだろうがって思いました。あと、主人公に彼女? 彼女未満? しっかりとした言及がされていない曖昧な女友達みたいなのがいるんですけど、その辺決定的にわかりそうなセリフが後半のホテルのシーンにあるんですけど、何回巻き戻しても松坂さんが何言ってるのか全然聞き取れなくて『※△%□!場所あるだろ!』って言ってるんですけど何言ってるかわかりません。その後のセックスの後で女も『私……ょうくんとも付き合ってたの』みたいなこと言うんですけど、これが『しゅう』にも聞こえるしそんなやつ居ないし、これが『りょう』くんだったら『とも付き合ってたの』の意味がわかんないし、この女が寝たという主人公の友達は『ふみや』だし、音声はっきりさせろや! って思いました。そういうわけで二人の関係性が『今日も大学こなかったでしょ!』ってウザLINE送って来たり、『はい、一週間分のノート』って主人公のバイト先のバーに押しかけてタダでカンパリソーダを飲む女と男(未セックス)というくらいしかわからなくて、その女が主人公の友人のホスト(ふみや)から主人公が男娼やってるってことを聞いてバーに押しかけて「身体売ってるなんて汚い!」つってブチ切れるんですけど、付き合ってもないのにブチ切れんなよって思いましたしホストはホストで冒頭で「客とセックスする」って言ってたし、そんな二人が主人公を責め立てて店を出て行った後結局二人やりました。っていう流れで皆頭おかしいんですけど、この女はさらにそのあと金出して主人公を指名してホテルに行ったらこの女がいた、っていう展開なんですけど、自分の好きな男が体売ってたことに対して嫉妬で怒り狂ってさらにその好きな男の友達とやってそれでも飽き足らず今度は好きな男を1カ月のバイト代全部ふっとぶ金(本人談)出してでも指名してやる気満々の服装で来てるくせにとりあえず戸惑う主人公を前に部屋のカーテンを全開にして外の昼間の光景を見せて「この家族や友達が生きてる世界でりょう君は身体売って一生生きていくんだね」みたいなこと言って結局その後懇願して友人とも寝たんだからという謎のカミングアウトしてまでセックスしてもらうんですけど、風俗に行って女に説教するおっさん並みにたち悪いし、それがこの女の場合は、好きだけど振り向いてくれなかった男に対して生活費ぶっとばすくらいの金払ってでも行うあたりに狂気を感じるというかお前が説教すんな!っていう気持ちを奮い立たされずにおられませんでしたしイラつきました。あと、最終的に真飛さん演じる男娼管理者(ぴったりくる言葉がわからない)が摘発されてしまって、その一年後真飛さんの娘と主人公とアズマでまた男娼屋やってるっていうほのぼの風に終わるんですけど、なんか何が言いたかったのかまったくわからない映画でした。役者さんたちの『体当たりの演技感』はめちゃくちゃあったので体当たりの演技賞だったら総なめかもしれないんですけど、でももはやAVとの境界線に寄りすぎていてそれだったらAVは体当たり賞総なめだわって感じだし、とにかく役者さんたち素晴らしかったけど物語は何いいたいのかよくわかんねって感じでした。
そんなこんなでとにかくセックスシーンばっかなんですけど松坂桃李さんが達するときに「アアア、アアアアアー」っていう(痰がからまったのかな?)って声を出すのが印象的でした。あと猪塚君はめちゃくちゃ細くて役作り頑張ってらっしゃったんだな素敵だなって思いました、猪塚君最高です(贔屓目)。
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