もう切ら（れ）ないカードが増えてきた
突然ですが今からもう一度中学校に通うことってできないですね。過ぎ去って気づけばもう二度と経験できない、ということが人生にはあると思うのですが、中学校生活のような完全無理なものでなくても、二度と経験しないかもしれないこと、がありますね。例えば、僕はおそらく二度と海水浴に行くことがないと思うんです。別に海に入れない体質になってしまったわけでもだらしない体を晒すのが恥ずかしいわけでもなく、この年齢になると子供がいたりしない限り、「夏には海に行かなくてはいけないのではないか」という気持ちになることもありませんし、かと言ってゲイのグループで「皆で海いこーぜー」みたいなことは僕には起こりえないですし、こんな感じで、"人生が終了する前にすでに終了してしまってる事項"が増えてる感がありますね。別に終了させてるつもりもなければ行こうと思えばいつでもいけそうな気でいるけれど、実際に行かないのであれば人生での"海に行くカード"はもう切る機会がないのと同じで、カードは伏せられて、もう今後の人生に無いのも同然だなと思うわけです。
というわけで、僕は遊園地に行きたいんです。前置きが長くなりましたが、遊園地というか、テーマパークというか、乗り物があるところに行きたいんです。ジェットコースターとかがあるところへ。これはもはや、この歳になると子供でもいない限り行くこと不可能な気がしていて、仮に一緒に行こうと誘おうにも友達も皆30代だったり、家族がいたりすると、なんだか誘うの不可能。親戚のおじさんポジション確保しない限り。そういえば、昔、26歳くらいのころ働いてたマンションの一室のブラックデザイン事務所の先輩女性（当時32歳：モコモコしたでかいパーマ）が、32歳の男女友人3名でつるんで西武園ゆうえんちのプールに行って流れてきた、って言ってたんですけど、今思えばバイタリティ溢れてるなって思うし、僕もこんな友達がいたらよかったなと思いました。でもこの人達ダイバーシティ東京オープン時に行ったけどつまんなかったからって入り口の前で座って缶チューハイ飲んでたような人たちなんで一緒に行動すると好奇の目に耐えかねるとも思うのでやっぱこんな友達いらないなと思います。
とはいっても僕は高所恐怖症ですので、観覧車とかけっこう無理なんですけど、フジヤマとかも高いから本当に恐ろしかった記憶しかありません、行ったのはかれこれ13年くらい前ですけれど。でもジェットコースターが嫌いなわけではなくて、ちゃんと床があって、上からガシャンって下ろすタイプのバーであればエンジョイできるんです。床がないと（靴脱げちゃったらどうしよう）って気が気じゃないですし、前の手すりを腰のあたりに引っ張ってくるタイプだと（固定した位置が甘くてすぽんって体抜けたらどうしよう）って心配でぜんぜん集中できなくなります。
だから富士急みたいな命の危険中毒者向けのところではなくて、かといってTDRのような少し早い路面電車みたいなところでもない、ほどよいスリルショックサスペンスを味わえるところへ行きたいんです。まずそのような場所を探した上で、同行者を探さなければいけないわけですが、ここでこの場所のチョイスが足かせになるわけです。いい歳したおっさんが「ジェットコースターに乗りたい」と言ったところで奇跡的に付き合ってくれそうな人というのは、それなりにジェットコースター類が好きな人たちだと思われますので、「命を危険に晒すのであれば行ってもいいけどぬるいところになんでおっさんと行かないといけないんだ」という返事が予想されるわけです。では、TDR好きな類の人からすれば「なんでパレードもない（もしくは意味不明なキャラクターのチンドン屋を見せられる）ようなところに行かなければならないんだ」ってことになると思いますし、これは非常に悩ましく、もうこんなことなら一人遊園地デビューしてしまった方がいっそ楽なのではないかとすら思えてきます。
しかしながら、僕が一人で行けるところといえばカラオケか足つぼマッサージしかなく、出先で一人で食事をとるのすら苦手で家に帰るまで我慢するくらいで、出張先で勇気を出して博多駅のホームの立ち食いうどんを食べたときは最高の達成感におなかも心も満たされるくらいスマホでうどんの写真撮っちゃうくらい一人で何らかのサービスを提供する施設へ立ち入ることが苦手ですので、一人で遊園地に行くなんて到底無理だし列に並んでる間に（やっぱ帰って仕事の勉強したほうが人生に有意義じゃないか）とか考えた挙句一日パスポートを1秒も使わないまま帰宅して（二度と馬鹿なことしないようにしよう身の程を知ろう）って思いながらワイン飲んでるところまで今予測できました。そういった意味では1人で未成年が大量に居る音楽堂へ赴くとか無理ゲーですのでレンタル高校生とか依頼しないと乗り切れませんがそうすると別の意味でゲームオーバーになりそうですので、そういう意味では人生は夢だらけで人生は思い通りな気がしてたけどわりと人生の可動範囲は狭いなと思いました。
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