「箱の中」シリーズが好き

僕は小説を読まない、というか本を読まないのですが、この箱の中シリーズはもう最高に心をわしづかみかつ乱されました。堂野と喜多川の刑務所内での話「箱の中」とその後「脆弱な詐欺師」「檻の外」、短編の「雨の日」そして「なつやすみ」を通して読んで、なんだかもう人の人生追体験するのを駆け抜けた感がすごかったです（すすきのはらという非売品冊子があるそうですがお目にかかれてません）。箱の中は結構激しいというか、荒々しい感じがあったのですが、その後は結構穏やかな流れの中で2人の人生がくっついていくような印象でした。なつやすみまで通して読んでこそこの作品は心に一本、筋のようなものを残していってくれるなと思いますので、ぜひ通して読んでもらいたいです。さらにこの本を読んで思うのは、小説のような人生って客観的にはそうそうないと僕も思うのですが、刑務所こないものの、ゲイであるとか、父親の本当の子供じゃないとか、不倫とか、今日現在までに僕の周りで起こってることで、人生ってのはいろんな可能性に満ち溢れている（使いどころが違うかもしれないけど）なあと思うのです。だから、僕が今直面している悩ましいこととかも起こって当然というか、起こりうるだろそりゃ、という現象に過ぎず、思うように進めていくしかないなあと思いました。この本読んでこんな感想持つってのも変ですけど、とにかくこの本は人の人生を共感しつつ追いかけて駆け抜けた感がとてもあって、心に残る一冊でした。

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