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リバーズ・エッジを見た

10代のころ読みまくって、山田君になりたいと思っていたんですけど、今日リバーズ・エッジの実写映画を見てきました。

キャスティングがすごく、漫画そのままで、登場人物がみんな漫画から出てきたようでした。山田君は髪型が特徴的だっていうのはあるけど吉沢亮さんが最高にハマってたと思います。もっと彼が若いころだったらもっと少年っぽさがあったかもしれないけど、よかったです。吉川こずえもすごい漫画に似てたし、若草はるなもすごい似てて、さらに観音崎も似てたし、るみちんが最高にるみちんっぽかったです。るみちんの姉も。

この映画をみて、僕はまず(ああ、やっと90年代が客観的な過去になったな)って思いました。なんというか時代のパッケージ化というかアーカイブ化が終わったな、って感じで、リバーズ・エッジには僕が思う90年代っぽさが詰まりまくっています。映画を見てたら結構時間が経って、(今から見るんだったら最初から見た方がいいよ)ってくらいのタイミングで入ってきた人がいて、うろうろして、何度も通路に置かれてる誰かの鞄を蹴っちゃって謝って、とかやってて、あとおもむろに菓子パンみたいなの食べ始める人がいたりして、普段だったら気になるけど、なんかそういうの含めて岡崎京子ぽいからいいかと思いました。

原作にはない、なんか登場人物に誰かがインタビューするのがちょこちょこ挟まってたんですけど、あれがはじまるたびに物語に没入してたのが肩をつかまれて引き戻されるようで、いらないなと思いました。誰がインタビューしてたのかもわからないし、意図も不明。漫画だとナレーションというか説明文みたいなのがあるところが、それをやらないかわりにインタビューという形で補完しようとしたのかもしれないですけどいらなかったですね。

実際に連載されてた時期にはまだ僕は小学生だったのでリアルタイムで読んでたわけではないんですけど、10代のころはこれを読んで漠然と”東京”ってこんなとこなんだなと思ってたので、なんか退廃したところなんだなって思ってました。でも実際はどうだったんだろうかと思います。ド田舎に生まれ育った僕としてはまったくわからないけど。ただの日常の話なんだけどあんなに空虚な雰囲気に感じられたのは思春期に読んだからかもしれません。

僕が一番好きなシーンは山田君と若草が、校庭で山田君の好きな人を眺めながら話してるシーンなんですけど、映画でもきちんと描かれていてよかったです。最後に若草が引っ越すのがとても寂しくて、今だったら携帯もあるけど、昔はもっとコミュニケーションをとることが大変で、かつ学生時代に引っ越したり転校したりするっていうのはだいたい今生の別れになりがちで、10代の頃って人間関係の糸がまだ未熟というか、生々しいというか、常に新陳代謝されるから過去の人になるって感じがすごくて、とかそういうのを感じて若草が引っ越すシーンは僕はとても辛かったし、若草が泣いたのはそういうこともあるのかもしれないと思いました。

見終わった後は10代のころの気持ちに戻ったようで、渋谷を歩いているとド田舎にいる10代の自分とは全然違う、街ゆく皆が映画の登場人物のように感じられました。
リバーズ・エッジは本当にいい作品です。

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