青のフラッグを読みました
こんばんは、気を使ってぼやかして書きますが仕方のないネタバレあります。早速ですが青のフラッグは読んでいますか。僕は先ほど最終巻を読み終えました。コミックスがでたら読む勢なので、最終話が掲載されたのはそれなりに前だと知りつつもコミックス出るのを待ってたんですけど、発売されたのを目にしたのでさっき買ってkindleで読みました。コミックスで読んでると結構前の巻から間があくので、どうなってたんだっけ?って6巻と7巻をさささっと読んで状況を把握して8巻を読み始めました。作者の方があとがきでも描いてらっしゃいますけど、ほんとその通りですねって思いました。あとレビューをちらちらちょっとだけ見たりしたら、最終話その描写必要だった?みたいなご意見ありましたけど、僕はですね、これはですね、絶対あったほうがよかったと思いますね。むしろこれをはっきりと描いてくださったことに敬意を表したいですね、大勢の人々に注目されている作品ということはそれだけさまざまな価値観を持つ人々からそれぞれが持つ期待を寄せられているということですから、そのような状況の中で「これや!」っていうラストを描いてくださったことは本当に素晴らしいことだし勇気のあることだと思います。なんとなくふんわりさせて「あとは読者に委ねます……」ってことする方法もあるとは思うんですけど、僕はこのラスト、こんなにはっきりこの流れの中で、この続いてきたお話の中で、そのラストへ持っていってくれたことがよかったと思います。太一と二葉がトーマを訪ねていくところで、受験勉強の単語を出題してるシーン、「vary」って単語がでてきますね。太一は「さまざまである」って答えて、二葉がピンポーンって言うシーンです。varyには変わるっていう意味もありますよね。ラストはそういうことだと思うんですけど、変わらないものももちろんある世の中ではありますけれども、変わることが以前よりも難しくない世の中になってきているのでは、とも思います。人の変わる幅っていうのがあったとして、昔は常識や世間体でその幅が一定のところで規制されていたところが、その縛りがゆるくなった、というか、価値観がかわってきたことで、本当に自分がどう行動したいのか、自分でも気づいていない自分の幅へ動くことができる時代になってきたのではということを、実感させられるラストだったと思うんです、それを踏まえてのラストだと思うんですね。なので一見、安直な、結局そういくの?って感想を持つ人がいるかもしれない、けれど、今回のこの作品は、そういう感想につながることを回避できるくらい、丁寧に丁寧に描かれてきているんです。なので、このラストは、安直なハッピーエンドではなく、むしろ安直なハッピーエンドと言われそうでなかなかそういう結末に持っていくことが難しく、結果としてハッピーエンドが描かれづらかった、ゲイの恋愛模様というものを、ハッピーエンドにもっていったという素晴らしい作品だと思うんです。なんていうんでしょう、簡単なことほど難しいとでもいうのでしょうか、そういうことをなさっている作品だと僕は思いました。太一がずっとどんな感情を抱いていたかなんてわからないんです、だってトーマの葛藤をずっと描いていて、そのリアクションとしての太一しかいないですから。けれど、太一ももっと深いところでトーマと同じ葛藤があったかもしれないし、気づいていなかったのかもしれない、自分の価値観の幅が知らないうちに世間体に合わせられていたのかもしれない。このラストを受けて、もう一度最初から読み直してみると別の見方が生まれるかもしれない、そう思う作品でした。素晴らしかったです。中学生、高校生の時分にこの作品に出会えていたらよかった、と思います。文科省推薦にしていただきたいですね。おすすめです。読んでください。
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