Augustsky

40代ゲイが日々のことを書き綴るブログ

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10年前の秋ごろ

僕は大体常に人生路頭に迷っているんですけど、そんな時ふと(10年前はなにしてたんだろ)と思った時に役に立つのがmixi。2009年の僕は、こんなことを日記に書いてたんだなあと思ったので転載します。僕はすーぐいろんなことを忘れちゃうなと思って、忘れないようにしようと思いました。名前は 〇〇 にしとります。

タイトル:じいちゃんとばあちゃん

今日はセンチメンタルな気分で日記書いちゃうよ。
今日は出勤時、なんか突然昔のことを思い出したよ。
今はうちのばあちゃん、寝たきりみたいになっちゃったんだけど
昔ね、俺が多分幼稚園くらいのころかな。
じいちゃんが町議会議員の選挙に出たの。
まあ結果は落選だったんだけどね。
じいちゃんはなんというか、潔癖なのかケチなのか
所謂、おしょうゆを配ったり、ちょっと地区の宴会にお酒を届けたり
そんなことを一切しなかったの。
じいちゃんはそれだけは譲れん。じいちゃんは普段
やかましゅゆうていきよるけん、そがんことしたらすぐ揚げ足とられるけん
(口うるさく役場などに行っていろいろ言っているのでそんなことをしたら揚げ足をとられるから)
ってことで。
そんな勝ち目のない選挙だったんだけどね。
突然思い出したってのはね。選挙カーの上で
必死で声をだすばあちゃんの姿。
別に選挙なんてしたこともなく、ずっと水道会社の事務を
ひたすらやってきたばあちゃん。
もちろん演説もしたことはないし、大勢の前で話をすることも
なかったと思うんだけど、そんな状況で夫が選挙に出るって
いうもんだから亭主関白な〇〇家ではばあちゃんしか
選挙カーに乗れる人がいなかった。うちは両親公務員だったし。
多分最初はばあちゃんも、えー!って画太郎のマンガ並みに
無茶だと思ったと思うんだけど
選挙の時、ばあちゃんは田舎町を走る選挙カーの上で
〇〇〇〇〇〇 ! 〇〇〇〇〇〇 をよろしくお願いします!
って一生懸命マイクもって声はりあげてた。
その姿は幼い俺にも鬼気迫るものがあった。
夏に実家に帰ったとき、じいちゃんちに行くと
ベッドに寝たきりのばあちゃんは目も開くか開かないか。
じいちゃんが、
〇〇のきたぞ! 〇 ちゃん!いつも 〇 ちゃん 〇 ちゃん
言よろーが!
って言っても、じーっと俺の顔をみるばかりで
ぜんぜんわからないみたいだった。
でも突然こうなったわけじゃないから俺も特にショックなんてうけないけど
けど、見当違いでちぐはぐでもいいから
話をしてくれてたときはまだよかったなあって思った。
ばあちゃんはいつも、 〇 ちゃんは?とか 〇 ちゃんにごはん食べさせんば。っていっているらしく、きっと今も小さい俺が
ばあちゃんの近くにはいるのだと思う。
たまにしか会わないものだから、毎回
前にあったときよりもひどくなっていて
なんとも言えないけど、ひとつ心残りなことがある。
去年兄が結婚した次の朝、俺が帰る朝。
父、母、兄とばあちゃんが入院してた病院にいった。
ばあちゃんは既に寝たきりの状態で
こちらの問いかけにもあまり反応がなかった。
きっと耳も遠くなっているし、目も白内障でよく見えなかったんだと思う。
俺が、 〇〇 !帰ってきたとよ!って言ってもよくわからないようで
俺は正直前回に会ったときにくらべてあまりに変わった祖母の姿が
ショックで、できれば早く去りたかった。
しばらく居て、帰ることにしたんだけど
兄が、後で行くけん、と言って病室に残った。
外の車で待っていると兄が来て、
「ばあちゃんわかったばい」
という。
「結婚した。今度奥さんと子供も連れてくるけんって言ったら
『… 〇〇〇 さん?(兄の名前)』って言って『そうね…結婚したとね』って言った」
と言う。
それがホントかわからない。あまりにショックを受けた俺を励ます為だったのか、ホントにばあちゃんが言ったのかわからないけど
ばあちゃんのことを受け入れられずにその場を立ち去った
自分がなんとも情けなく思えた。
一人で入院していて、耳も遠くなって目もよく見えなくなって
記憶をなくしていく中、どれだけ心細かっただろうと思うと
本当にかわいそうで、申し訳なかった。
夏に帰った時はもちろん俺のことはわからないみたいだったけど
そんなのは別によくて、俺がきたことを喜ぶじいちゃん。
ばあちゃんを俺に会わせる事ができたことを喜ぶじいちゃんの姿が
うれしかった。
程なくじいちゃんがばあちゃんにご飯を食べさせようとしていたんだけど、ぜんぜん食べなくて、困ってた。
なので俺が行って、
「ばあちゃん、ご飯食べんばたい。俺が食べさせよっか」と言って
ご飯を食べさせたら、ばあちゃんが食べた。
じいちゃんが横で、
「よかな~。孫にご飯食べさせてもらうってもう無かかもしれんぞー。」
って言うから
「小さか時には俺が食べさせてもらったっちゃけんそのお返したいねー」
って言って食べさせた。
ばあちゃんは無言だったけど、もぐもぐ食べてた。
じいちゃんがすごくうれしそうだったのを覚えている。
じいちゃんもばあちゃんも、若いときから苦労してきて
その時その時で決断をしないといけないことが沢山あって
今日があるんだと思う。
二人が俺の年の時には、父も、叔母たちも生まれていて
大変なこともたくさんあったと思うと
俺も自分の人生、ちゃんと決めないとと思ったよ。
この曲は俺の中でじいちゃんとばあちゃんの曲。
https://youtu.be/EHt_Xo-T174

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